イスラエル中部ケセム洞窟(Qesem Cave)で、テルアビブ大学(Tel Aviv University)の考古学チームが40万年前のものとみられる歯8本を発見した。考古学チームを率いるアビ・ゴーファー(Avi Gopher)教授が28日、発表した。これらの歯は、初期の現生人類(ホモサピエンス)のものとみられ、これが証明されれば人類の起源はアフリカにあるとの説を覆す発見となる。
ゴーファー教授の説明によると、発掘していたケセム洞窟は40万年前から20万年前ごろの間の約25万年間、使用されていたとみられ、8本の歯は洞窟の各時代の層からみつかった。最も古いものは40万年前ごろのものだという。
現在では初期の現生人類はアフリカ東部に約20万年前に出現したものと考えられており、他の場所で、これより古い現生人類が確認されたことはないという。
ケセム洞窟で1本目の歯が見つかったのは2006年だった。だがゴーファー教授らは、さらに数本の歯がみつかるまで発掘を続け、様々な手法を用いて慎重に年代を調べ、今回、発表するに至った。
ゴーファー教授の考古学チームは、見つかった8本の歯から導かれた仮説を裏付け、人類の進化や現生人類の起源の謎の解明につながる新たな発見をめざして発掘を続けている。(c)AFP