先日、面白い症例に出会いました。
10年程、家族でデュッセルドルフに駐在していた女性の患者さん。
依頼先の院長からパノラマのレントゲンを見せられて、
理解出来ないとの事。
檜山には懐かしいレントゲン像です。
日本のコア(土台)の立て方が違うので怖くて触れないからと
治療を依頼されました。
さすがに名医の揃うドイツの治療。
つけ込む隙がありません。
問題は、ブラキシズム(歯ぎしり)による生理的な咬合の変化に
セラミックが追いつけないでいて摩耗で金属が見えてきてるという事でした。
全体を見渡すと1本だけセラミックの色のが少しドイツらしくないので
患者さんに聞いてみるとそこだけはシンガポールで大昔に
治療したそうです。
やっぱりなぁって思いました。
ドイツのセラミックの色調とフレームデザインは少し凝ってるので、
すぐに分かります。
金属の見えてきたセラミックは単調で色の立体感が乏しい
おやっ?と思う訳です。
患者さんから何故分かるのか?と聞かれて、
リヒテンシュタインで研究してましたと答えたら
ちゃんと国を知っててくれました。
マイナーなので日本では知らない人がほとんどです。
おかげで、気楽にお話出来たらしく、色々質問されました。
ドイツで治療受けた時は、何を言ってるのかよく分からないまま
だったそうです。
小一時間、レントゲンから診られる痕跡をプロファイルして
こういう事情で、こういう治療になったであろうと説明したら
本人も思い当たる節があるらしく納得して帰りました。
過去、研究所を通じて日本での治療をフォローしなければならない時も
多いので、楽しいです。