何だか相談のメールが来たので、この際分かりやすく解説してみましょう。
1:下顎の親知らず 歯茎編
これは親知らずが横になっていたり、歯が全部出て来れないで歯茎が覆っていたりした時
歯と歯茎の隙間に食べかすが入ってそれが細菌感染して腫れて膿みになります。
かなり痛い状態です。痛み止めだけでは不十分で抗生物質が必要です。
但し、よく見かけるのは上の親知らずが下の歯茎を刺して傷を作り痛んでる事があります。
この場合細菌感染ではなく物理的な傷なので痛いのは下だけど上の親知らずを処置しないと
治りません。
意外と多くの先生がこれを誤診してるのを見掛けます。
2下顎の親知らず 歯冠編
これは分かりやすく虫歯で歯が壊れて神経の炎症になってる所謂歯が痛いのと同じです。
痛み止めでも十分効果はありますが、本来第一選択になる痛み止めは
アセトアミノフェン系のカロナール 200㎎~400㎎(1錠か2錠ってところです)
飲めばある程度治まります。
ロキソニン、ボルタレンは少し歯の痛みとは作用点が違う所にあるので効かない事もあります。
マニュアルドクターは基本の薬理作用を考えないで普段こう処方してるからと言う理由で
ロキソニンを出してる事が多いです。
また、ポンタールはもう少し深い内蔵系、特に子宮内膜症などの痛みに効果があります。
500㎎くらいだったかな?
歯の痛みにポンタールを出す先生は多分いない事を祈ります。
3:上の親知らず
大抵問題になるほどの症状は見掛けません。
虫歯になるか、少し歯茎が腫れるか、下と比べれば大きな痛みにはなりにくいです。
問題は顎が開きにくくなる原因になる所でしょうか。
上の親知らずのせいで顎関節症になっている患者さん達は沢山見掛けます。
知っておいて欲しいのは上と下で発生が違い骨も構造が違います
親知らずの抜歯が腫れるというのは下顎で多く見られますが
上顎ではほとんど見られません。